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あきた版2月1週号
地元農業に活気を - 村木やす子さん
 「農業は本当に楽しい」と話す鹿角市十和田の村木やす子さん(43)。ビニールハウス5棟を所有し、10㌃でトマトを、50㌃で野菜数十品目を手がける。地元の農業を活気づけるため、おいしい野菜作りと情報発信に尽力している。

 村木さんは2019年に就農し、野菜農家の成田登さん(74)の下で経験を積み、20年に独立した。「登さんには今も師匠として助言をもらっている。マニュアルにはない知識が得られるので楽しく、役に立っている」と感謝する。
 トマトは大玉の「りんか409」や中玉の「レッドオーレ」、ミニの「キャロル10」などを作付け。夏季はオクラやスナップエンドウなども手がけ、冬季は主に葉菜類の栽培に取り組む。
 トマトの栽培では、味の良さを追求。化成肥料の成分を化学式に至る部分まで細かく調べた上で使う。また、野菜ごとに効能を考えて有機成分の配分を変えるなど、試行を重ねている。「栽培では土作りが大切。土作りに欠かせない有機成分が、時間をかけてどのように土と作物に作用するのを考えて取り組んでいる」と説明する。
 就農前はキャンプが趣味だったが、夏はトマトの収穫最盛期を迎えるため、手が離せない。「多く結実しているトマトを見ると、キャンプに行けない無念さよりも、収穫する楽しさが勝る。忙しさを忘れて夢中で作業している」とほほ笑む。知人の農家と生育状況や肥料の話題で話が止まらなくなるほど、農業にひた向きだ。
 村木さんは、農業経営能力に優れた人材の育成などを目的とした市の「ネクスト農みのり塾」に在籍。交流サイト(SNS)での情報発信やイベントを通じて、地元農産物のPRに努めている。さらに地元ラジオ局の番組「いかすZE!農業!」でパーソナリティーを務めている。「稼げて・感動があって・カッコいい」農業を発信するため、精力的に活動中だ。
 登さんは「村木さんは野菜をよく研究している努力家。自分の経験を基に助言する
が、よく理解して次々に吸収している。お互いに助け合い、刺激し合える仲間だ」と評価する。
 村木さんは就農当初から規模を年々広げ、今後も労力を考慮しながら拡大する予定だ。「これからも楽しく農業を続け、周りと競い合いながらおいしい野菜を出荷し、鹿角の基幹産業を盛り上げたい」と張り切る。
次号をお楽しみに!