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東北版1月4週号
自家産「あきたこまち」でどぶろく - 白山酒造
 男鹿市脇本で白山酒造を経営する白山慶幸さん(73)。自家産「あきたこまち」を、男鹿半島の名水「滝の頭湧水」と県オリジナル麹「あめこうじ」で仕込んだ「どぶろく寒風山」を製造し、人気を呼んでいる。

 同市は2011年にどぶろく特区の認定を受けている。白山さんは「地域で受け継がれてきたどぶろく造りを守りたい」との思いから、13年に「その他の醸造酒」の製造免許を取得。県醸造試験場で製造方法を学んだ。
 原料のあきたこまちは、1・2㌶で慣行栽培している。滝の頭湧水は、寒風山に降った雨が約20年かけて地表に湧き出た水で、古くから飲料水や農業用水に利用されてきた。あめこうじは、県総合食品研究センターが開発。甘みが強く、すっきりとした味わいが特徴だ。
 どぶろくは三段仕込みで丁寧に製造し、完成までは1カ月ほどかかる。少しずつ大きい器に入れ替えていき、最後は100㍑が入るずんどうで発酵させる。「製造で大切なのは温度管理。温度を調整して糖分を増やし、発酵を促進させている。おいしいどぶろくを造るため、細心の注意を払っている」と話す。
 数年前からは、どぶろくと同じ原料の甘酒や「どぶろくまんじゅう」も製造している。商品は、道の駅おがやネットショップ「あきたづくし」で販売。道の駅おがの清水由佳さんは「商品は、店頭に並べるとすぐに完売するほど人気。リピーターも多い」と話す。
 現在は年間800㍑を製造しているが、注文は年々増えているという。白山さんは「今後は1・5倍の製造を目標にしたい。売り上げ状況によっては、酒蔵を建てて規模拡大を目指す」と張り切る。
次号をお楽しみに!