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あきた版1月3週号
地域ブランド「白神山うど」 - 桜田和浩さん
 冬の主力作物としてJAあきた白神管内で栽培されている「白神山うど」。ハウス3棟で手がける能代市二ツ井町の桜田和浩さん(58)は、今月から始まった収穫作業に精を出す。山うど部会の部会長も務め、特産を守るために奮闘している。

 同JA管内では1980年ごろから産地化が進み、2007年に白神山うどとして地域団体商標登録された。同JAを通して関東や大阪などの県外にも流通し、程よい苦みとシャキシャキした食感が高評価を得ているという。今年は部会員32人が約90㌧を目標として収穫作業に励む。
 桜田さんは「東武鯉玉2号」と「紫芽の白」の2品種を栽培。4月から畑で株を養成し、11月中旬から掘り取る。株を休ませた後、ハウスへ移動し、12月ごろから伏せ込み、45日前後で収穫できる。
 「軟白と緑化部分を奇麗に出すために、生育期間中の小まめな被覆管理を心がけている。土の下には熱線を入れているが、熱くなり過ぎると腐ってしまうので、温度管理にも注意している」と話す。
 収穫は4月中旬まで続く。「収穫時期が延びるとハウスが空かないため、水稲の育苗時期も遅くなる。また、ウドの定植時期も延びて養成期間が足りなくなり、しっかりした株ができないことがある。年間のサイクルを考えて遅れが出ないように注意している」と話す。
 桜田さんは35年ほど前にウドの栽培を始め、部会長を務めて10年になる。副部会長時代を含めると20年にわたり部会を引っ張ってきた。
 昨年は生産者名を出さずに並べたウドの中から、共進会で1等を獲得したものを消費者に当ててもらうイベントを企画。参加者全員に白神山うどをプレゼントし、コロナ禍でも知名度向上に向けて活動している。
 同JA二ツ井営農センターの齋藤伸哉係長は「近年のさまざまな気象条件に試行錯誤しながらも、良品質のウド生産に向けて丁寧に取り組んでいる。部会長として部会を盛り上げてくれているのもありがたい。今後も健康に留意し、栽培を続けてほしい」と話す。
 桜田さんは「ウドの栽培は難しく、養成期間の除草作業や伏せ込み前の株並べ、手作業での収穫など時間がかかる工程が多い。その反面、掘る楽しさは格別なので、この楽しさを知ってほしい。白神山うどの栽培を盛り上げるために、イベントが一助になっていればうれしい」と笑顔を見せる。
次号をお楽しみに!