五城目町内川地区の澤田石栄一さん(73)は昨年の大雨で川が氾濫し、水稲約4・6㌶のうち2・3㌶が冠水する被害を受けた。困難な状況の中で稲刈りを終え、今年の稲作に向けて気持ちを新たにしている。
同地区を流れる内川川は、近年の異常気象の影響で3年に1度のペースで氾濫。澤田石さんは「大雨・暴風警報が発令された8月12日、深夜に町の防災無線が鳴り、玄関を開けると目の前が浸水していた」と話す。
トラクターやコンバインは別の場所に保管していたため無事だったが、農作業場は床上浸水し、乾燥調製機械が全て全損。軽トラックを含む自宅の車3台は、全て廃車となった。
水が引いた後、同地区では圃場への土砂流入が確認されたほか、床上浸水した数十軒もの家、道路に散乱する流木やゴミが見られたという。「何度も水害を経験したが、最大の被害だ。稲の出穂後だったため、タイミングも悪かった」と話す。
しかし「こんな被害に負けていられない」との思いが強くなり、家の周りや集落の片付けを開始。圃場では、中に入った砂利やごみを一輪車で農道まで運び、業者が回収するという流れで作業を行った。