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あきた版1月1週号
♡の駒形りんごで産地PR - 高橋征志さん
 「中学生の明るい笑顔と一生懸命な姿に『雪害に負けていられない』と思わせられる」と話すのは、湯沢市駒形地区の高橋征志さん(36)。リンゴが豪雪被害を受けたが、地元中学校が取り組むハート形リンゴの栽培に協力し、特産「駒形りんご」の知名度向上を図るため奮闘している。
 高橋さんはリンゴ30㌃のほか、水稲10㌶や大豆9㌶を栽培。2021年から2年連続で豪雪となり、リンゴに大きな被害を受けた。園地の積雪は2㍍を超え、低い樹木がすっぽり隠れるほどだったという。
 「雪が解け始めると、枝も一緒に下がって折れてしまう。枝にかかった雪を落としたが、間に合わなかった」と高橋さん。完全に折れた枝は元に戻せず、新しく枝を育てる必要がある。裂けた状態でつながっている枝は、ロープで引っ張ったり金具を打ったりして修復する。「10年ほど前にも同じような被害を受けた。枝の再生には時間がかかる。やっと再生したタイミングでの豪雪でがっかりだ」と唇をかむ。
 ちょうどそのころ、ハート形リンゴを栽培する総合学習の支援を受けられる園地を稲川中学校が探しているとの情報が入り、手を挙げたという。「地元の駒形りんごの知名度を上げる目的だと聞き、喜んで協力させてもらった」と笑顔を見せる。
 高橋さんの監修の下、ハート形にする方法を中学生が考案。果実が小さい段階でハートの型をかぶせることで、時間がたつとハート形になる。大きくなったら型を外し「LOVE」という形のシールを貼ると、日焼けして文字が浮き上がるという。
 中学生は8月以降、2週間に1回ほど園地を訪れ「ふじ」と「昂林」30個ほど作業。収穫後は駒形りんごを使った菓子などと共に販売した。
 「今後も依頼があれば中学校に協力したい。雪害に負けず、園地をできる限り復旧して、現在の面積で継続していきたい」と話している。
次号をお楽しみに!