農業共済新聞

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あきた版1月1週号
つなぎ融資で早期経営再建 - 見上隆太さん
 家族でネギ4㌶とキャベツ6㌶を栽培する能代市朴瀬の見上隆太さん(39)。大雨の影響で作物に大打撃を受けたが、収入保険のつなぎ融資を受け、経営継続の意欲を高めている。
 「消費者に安全な野菜を食べてもらいたい」という信念を持つ見上さん。栽培するネギとキャベツは「白神ねぎ」と「白神きゃべつ」として、JAあきた白神に全量出荷する。農薬や化学肥料を減らして栽培するキャベツは虫が付きやすいため、木酢液を散布するなど工夫を凝らしてきた。
 そんな中、8月の大雨で圃場が冠水。ネギの作付面積の約半分で軟腐病が発生し、拡大。キャベツでは作付面積のほぼ全体で株腐病や根こぶ病が発生した。キャベツは全量が出荷できず、ネギは一部しか出荷できなかった。見上さんは「ネギ、キャベツともに生育が順調で、豊作を期待していた矢先の出来事だった。見込まれる収入が大幅に減少した」と話す。
 そこで収入保険のつなぎ融資を活用。「無利子で融資を受けることができて助かった。ほかの制度にはなく、収入保険の強みだと思う」とメリットを強調する。
 父親の清隆さん(68)から「自然災害や価格変動など農業は何があるか分からない。万が一のために、収入保険に加入した方がいい」と勧められ、2019年から加入。今後も継続加入していきたい考えだ。
 病害が発生した圃場には病原菌が残っているため、土壌消毒剤を施用する。次作に菌を持ち越さないように注意を払う。
 見上さんは「農業は天候に左右され、体力も必要とするが、とてもやりがいを感じる。今後も継続して努力し、食を支えているという強い気持ちで、質の良い野菜作りに取り組みたい」と話す。
次号をお楽しみに!