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あきた版3月3週号
レタスなど葉物野菜を水耕栽培 - やしまグリーンファーム
 「太陽光が当たると野菜が生き生きして全然違う」と話すのは、由利本荘市矢島のやしまグリーンファーム・伊豆章代表(64)。ハウス1棟60坪で葉物野菜の水耕栽培に取り組む。温度や水質の管理に気を配り、年間を通してスーパーや飲食店などに出荷。太陽光を利用することで力強く色鮮やかな野菜に育ち、取引先でも好評を得ている。

 栽培する野菜はレタス3品種やベビーリーフ10品種、クレソンなど。多品種を少量ずつ手がけ、年間で1・2㌧を生産する。
 播種から約1カ月で定植。その2~3週間後、1株ごとに葉を1、2枚切り取って収穫する。「すぐに新しい葉が出てくるので、収穫を繰り返しても約2カ月間株を保てる。株全体をそのまま収穫する方法だと、玉レタスのように1回取れば終わるので、1株当たりの収穫量が少ない」と話す。
 注意が必要なのは温度管理だという。室温と水温、太陽光の調整に苦労する。「昨年の夏は猛暑による高温障害の影響で作物が全滅した。今年は遮光ネットなどを使用して高温対策を講じる予定だ」と話す。冬は内部を断熱シートで二重張りにして、エアコンと灯油暖房で10度以下にならないように管理を徹底している。
 野菜は県内スーパーや地元の飲食店、直売所「やさい王国」に出荷する。一番人気があるのは、レタスが3品種入って税込み250円の「ミックスレタス」だという。やさい王国の佐藤光男組合長(73)は「やしまグリーンファームの野菜は新鮮。直売所を利用するお客さんに好評だ」と話す。
 定年退職するまで電気機器製造会社に勤務していた伊豆代表。定年後に野菜を栽培したいと考え、退職前から情報収集し、就農前は水耕栽培に取り組む県内の会社などを訪ねて回った。「水耕栽培は効率的に作業ができる。土耕栽培に比べると管理が楽で汚れないし、農機具も必要ない。自分の土地がそれほど多くないので、省スペースで管理できる水耕栽培はピッタリだった」と振り返る。
 今後は、まだ知られていない、さまざまな葉物野菜の栽培に取り組みたいとの考えだ。
次号をお楽しみに!