農業共済新聞

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あきた版4月1週号
酪農と農機具の二刀流 - 佐藤幸生さん
 乳用牛50頭の飼養と牧草40㌶の栽培を手がける北秋田市鷹巣の佐藤幸生さん(73)。県内外問わず依頼された農機具修理も行い、酪農と農機具両方へ熱を注いでいる。
 
 佐藤さんは妻と息子夫婦、孫の家族経営で牛舎を管理。毎日、早朝に起床して牛の体調をチェックする。「餌寄せをしながら牛の行動を細かく見ると、健康な牛や体調を崩している牛など、少しの変化に気付くことがある。状態を見ながら、今どう対処するべきか考えている」と話す。さまざまな価格が高騰している中、現状を維持しながら健康な牛を育てていきたいと前を向く。
 一方で、有限会社サトウとして農機具の修理も請け負う佐藤さん。会社を立ち上げる前から、趣味でトラクターの収集や修復をしていた。これまでに集めたトラクターは約300台。最も年数が経過しているものは、約70年前に製造された「神農工社チェリートラクター」だ。
 現在のトラクターは昔よりも性能が良くなり、作業効率が格段に上がったというが「基本の管理・操作をしないと故障につながる」と強調。「コンピューターによる電気制御付きの機械が主流になっているが、電気制御がない従来のような農機具も数台用意しておくと、普段使っている機械が壊れても代替ができて、作業が中断しない」と利点を挙げる。
 記憶に残っている修復のエピソードは、県外で野ざらしにされ、エンジンがかからなくなったトラクターだという。「所有者の亡くなった父親が乗っていたもので、今は乗らないが形見だからと手放すことを断られていた。熱心に思いを伝えた結果、理解を得て修理でき、うれしかった」と話す。
 酪農つながりで知り合い、今でも交流があるという仙北市の株式会社チクテック・田口代表取締役は「農機具の修理などでもお世話になっている。打ち切り部品やトラブルの相談を親身に聞いてもらい、助かっている」と説明する。
 佐藤さんは「ありがたいことに修理の相談をいろいろな所から受けるが、農機具メーカーや売店とのつながりを考え、そちらに相談することも大切だと考えている。メーカーと農家、そして自分が共存して信頼関係を築ければ」と話す。
次号をお楽しみに!