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あきた版4月3週号
長ネギを休耕の田畑で作付け - (農)山館ファーム
 2015年に設立し、水稲約55・2㌶を栽培する大館市の農事組合法人山館ファーム(構成員31人)。21年に長ネギの作付けを始め、丁寧に作業することで予想以上の収穫量を達成した。勉強会などに積極的に参加。一層の技術向上に力を注ぐ。

 長ネギは4月から11月が露地、12月から2月がハウス3棟で栽培し、合わせて2・7㌶で手がける。品種は夏取りの「夏扇パワー」と秋冬取りの「夏扇4号」。JAや近隣の飲食店、高齢者施設に出荷するほか、山館地域の住民からの注文も増えてきている。購入した同地域の40代男性は「実がしっかりしていて柔らかく、おいしい」と評価する。
 元々、水稲のみを栽培していたが、休耕した田畑で何か作付けたいと考えていた同法人。JAや地域振興局に相談し、県で力を入れている長ネギを勧められたという。
 藤原勝美代表(75)は「構成員全員が長ネギ栽培初心者だったため、JAの指導を受けながら取り組み始めた。小さくて規格外になるのを防ぐため、防除や土寄せ、除草作業を徹底している」と話す。10㌃当たり収量3㌧を見込んでいたが、基本的な作業を忠実に行った結果、初年度から3・5㌧を達成している。
 昨年、市内をはじめ県北部では大雨や長雨による被害が目立った。同法人でも一部で病害が発生したが、排水作業や土壌消毒などを実施し、被害の拡大を防止。大幅な収量減少を防ぐことができた。
 同法人では、ネギ部会の研修会や他法人などへの圃場視察にも積極的に参加している。ネギ栽培のさらなる技術向上を目指し、勉強を続けていきたいという。
 近年は若手が構成員に加わった。藤原代表は勉強熱心な点を評価している。「同じ年代で離農する人がいる中、若い人が入ってきたのは本当にありがたい。作業がはかどって助かる。熱心に勉強しているところを見ると、将来が楽しみになる」と話す。
 次世代につなげられる環境を目標に掲げる同法人。藤原代表は「作業面でも経営面でも、若手が安心して取り組めるような土台をつくれるよう今後について考えていきたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!