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あきた版6月3週号
つなぎ融資を生産費に充当 - 古戸敏弘さん

 潟上市飯田川地区でトルコギキョウやストックなどをビニールハウス5棟で栽培し、水稲8㌶や野菜9㌃、漬物などの加工品製造も手がける古戸敏弘さん(75)。栽培に注力するトルコギキョウが害虫などの被害に遭ったが、つなぎ融資を受け、保険の心強さを感じている。
 以前から水稲共済に加入していたが、花きや加工品の補償はなかった。NOSAI職員の勧めで、制度が始まった2019年から収入保険に加入。古戸さんは「全ての品目を補償してくれるので、安心して営農に取り組める。青色申告の数字で査定されるため、明瞭で良い」と制度に納得する。
 昨年5月ごろ、チビクロバネキノコバエが発生し、トルコギキョウの根が食害を受けた。半分近くが立ち枯れとなり、出荷不能となった。さらに豪雨によって、移植直後に苗が冠水。水稲は6月の低温による分げつ不足と、8月の大雨による日照不足に見舞われ、収穫量は平年に比べて大幅に減少した。
 収入減少が見込まれたことから、つなぎ融資制度を利用。申請して1カ月後には融資を受けることができた。「農業資材や農薬代の支払いに充てることができ助かった。申請が簡単で、迅速かつ無利子だったため、本当にありがたかった」
と安堵の表情を見せる。
 盆用の出荷がメインのトルコギキョウだが、近年は異常気象で開花が早まることが増えた。「栽培管理を徹底しても、自然環境の変化には太刀打ちできない。価格についても、出荷のタイミングが1日ずれるだけで大きく変動するこ
とがある。価格低下にも対応する収入保険は、心強い味方だ」と話す。
 現在は12月の収穫に向けてストックの栽培も控えている古戸さん。「今後は少しでも営農環境を整備して、経営意欲のある次の世代へつながるような取り組みをしていきたい。品目を選択して加入できる保険ができると、うれしい」と期待を込める。
次号をお楽しみに!