あきた版1月1週号
地元産米のおむすび販売 - 中川祐子さん
湯沢市の中川祐子さん(50)は2024年8月からキッチンカー「厨本舗 OMUSUBI」を運営する。「さけすじこ」「シーチキンカレーマヨ」など7種類のおむすびと「しょうゆ」「ごましお」など4種類の焼きおむすびを300〜450円で販売している。
「1番人気は柚子味噌の焼きおむすび」と紹介する中川さん。米は平日で約4升、休日は約15〜20升炊く。知人が手伝うこともあるが、調理から販売まで基本的に1人で切り盛りする。
3年前に保育士として働いていた時に乳がんが見つかった。自分の人生を改めて振り返り、以前から興味があったキッチンカーに挑戦しようと思ったことが開業のきっかけだ。
自宅で療養中、部活動を頑張る息子のために作っていたおむすびを商品に選んだ。今も新メニューを出す際は、息子が試食しているという。「秋田は寒さが厳しいので、体を温めるメニューも新たに考えたい」と話す。
使用する米は、湯沢市横堀の株式会社カンパーニャアグリが栽培する「あきたこまち」。従業員5人で水稲約25㌶を栽培し、検査と販売も行う。
中川さんから相談を受けた同社の由利幸悦代表(67)は「新しいことを始めるのはすごい。米を使った商品なら、販売まで行う自分たちが力になれると思った。オープンから5カ月たったが、評判が良いようだ」と話す。
同社の米は山間部の厳しい寒暖差で育ち、甘みの強さが特徴。中川さんは「真っ白でツヤがあり、かめばかむほど甘みがあった」と初めて食べた時のことを振り返る。
キッチンカーは県南地域の道の駅やイベント会場を中心に出店。出店情報は写真共有アプリ「インスタグラム」(@kuriya_honpo)で告知する。
中川さんの目標は全県を回ることと、関東地域への出店だ。「価格高騰も相まって米の消費が減少している中、秋田米のおいしさを多くの人に伝え、消費拡大に貢献したい」と話している。
次号をお楽しみに!