【北秋田市】「兼業農家として稲作はしていたが、定年退職後に始めたカボチャ栽培で賞を取るとは思ってもいなかった」と驚きながらもうれしそうに話す、北秋田市阿仁の宮野悦郎さん(64)。カボチャ「恋するマロン」が秋田県知事賞を受賞した。
宮野さんはカボチャを15㌃で栽培し、今年は60㌢間隔2・5㍍幅で1700粒の種を植えた。子ヅルを小まめに取り、親ヅルだけを育成。身が付いたら皿を敷いて全体に日が当たるようにし、1つ1つ大事に育てているという。
また、収穫したカボチャは奇麗に磨くことを心掛け、大きさ別に分ける作業を行う。今年は台風や暴風雨など自然災害の影響で発芽状態が良くなかったが、「形が良く甘いカボチャができて安心した」と胸をなで下ろす。
カボチャの他にも、エダマメ「あきたほのか」6㌃、小様(こざま)キュウリ3㌃を栽培する。小様キュウリは阿仁の小様地区でしか栽培されていない伝統野菜。地区で栽培している3人のうち、販売しているのは宮野さん1人だけだという。水分が多くシャキシャキした食感で、一般的なキュウリより2倍ほど太いのが特徴だ。
「カボチャの栽培面積をもっと増やしていきたい」と宮野さん。「小様キュウリとともにたくさんの人に知ってもらい、中山間地域の農業の発展に貢献していけたら」と意欲的だ。