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2019年1月3週号(特集②)
香りやコクのあるいぶりがっこ - 有限会社高関上郷農場

 【大仙市】農産物の栽培から加工・販売までを行う、大仙市高関上郷の有限会社高関上郷農場(藤井清徳代表=69歳)。JGAP認証を取得し、安全・安心をモットーにあきたこまちやいぶりがっこを販売する。
 同農場のいぶりがっこは、安全・安心志向や消費者の健康に合わせ、保存料や人工甘味料を使わずに製造する。藤井代表は「塩分が少ないので保存や管理が難しい点はあるが、自信を持ってお届けできる商品を作っている」と話す。
 商品は1本ものから半分に切ったもの、食べやすいように一枚ずつ切り分けたものまである。また、いぶりがっこの中にチーズを入れた「金のチーズいぶりがっこ」も好評を得ている。
 「いぶりがっこ作りは時間との勝負」と藤井代表。干す前のダイコンは時間がたつと白いすが入り廃棄処分となるため、収穫に合わせて迅速に作業を進める必要がある。
 干す工程については「ひもを使わずに吊るす人もいるが、均一に干すために1本紐を使う」と話す。千本のダイコンを干すと、燻し小屋1室で1・2㌧もの量になり、重労働だという。
 燻す際は楢と桜の木を使い、香りを染みこませる。また、漬ける時には以前味噌を漬けていた大型の杉樽を使用。プラスチック製の樽で漬けるよりもコクのある味わいになる。
 元々藤井代表は建設業に携わっていたが、将来の経営に不安を覚え、農業への転換を決意。稲作に加え、いぶりがっこ作りを見据えてダイコン栽培を始めた。栽培や販路に関して苦労したが、今ではJGAP認証を取得し、将来的にはHACCP対応の工場新設を計画しているという。「農業の難しさは通年雇用を確立させて労働生産性を上げながら、それを持続させることにある。これがJGAPの理念でもあるので少しでも前進させたい」と話す。

 商品は地元や秋田市内のスーパー、県外の卸問屋や中堅スーパーに出荷。「購入したお客さまからの反応や、口コミでの宣伝がとてもうれしい」としながら、「これからもお客さまのことを考えながら、安全・安心をモットーにいぶりがっこ作りに励んでいきたい」と前向きだ。

 ▽経営規模=水稲948・6㌃、大豆60・1㌃、ダイコン100㌃
次号をお楽しみに!