あきた版5月3週号
もみ殻ボイラーで野菜通年栽培 循環型農業を実践 - 株式会社秋田農販
農業土木コンサルタント業務や農産物の生産・販売を手がける大仙市南外の株式会社秋田農販(髙橋浩行代表取締役、65歳)。冬のハウス内暖房に自社製品のもみ殻ボイラー3台を稼働させ、野菜の通年栽培に取り組む。併せて副産物のもみ殻燻炭も販売している。
新潟県で栽培技術を学んだイチゴ「越後姫」や、ハート形が特徴のミニトマト「トマトベリー」をハウス6棟で栽培。ミニトマトは「恋ベリー」という商品名で販売し、好評を得ている。
冬の収入を得るため、もみ殻ボイラーの製造・販売にたどり着いた髙橋代表。「将来につながる農業を確立するため、2013年に当社を設立した」と振り返る。
同社のボイラーは灯油などの着火剤を使用せず、もみ殻だけを燃料にする。
近年のガソリンや灯油価格の高騰で、使用方法などの問い合わせが増えてきている。全国に60台販売したうち約半分は、県内の人が購入。設計技師でもある髙橋代表は「ボイラーの構造は複雑にせず、維持管理しやすくしている。購入者にとってもメリットだ」と話す。
米の産業廃棄物であるもみ殻の処分は地域農家の懸念材料だが、もみ殻ボイラーで燻炭にすることで、土壌改良材としての付加価値を付けられる。「循環型農業を下支えできる」と期待を寄せる。
燻炭は適度に粉砕され、粒が細かいため、市販品に比べ微小な分、土壌になじみやすいという。1日で70㍑入りを4袋製造。「自家製くん炭」として1袋当たり770円(税込み)で販売する。もみ殻を供給してくれた農家には無料で提供するなど地域内における資源循環に一役買う。
4、5年前から燻炭を使用する同市南外の高橋一男さん(70)は「苗箱に土と混ぜ、軽量化しつつ経費削減につながり助かっている」と話す。
髙橋代表は夏のハウス内高温対策として、保管していた雪を使う。雪を溶かした水をハウス内に持ち込み、ヒートポンプによる熱交換で涼しい風を送り、室温の上昇を防ぐ。「もみ殻も雪も身近にある資源。有効利用することで、冬でも生産販売や雇用促進など農業経営は魅力ある事業であることを発信していきたい」とまい進する。
次号をお楽しみに!