あきた版9月1週号
小ギク 品質追求 基本の積み重ねで - (農)あきのみや
湯沢市秋ノ宮の農事組合法人あきのみや(高橋忠之代表理事、53歳)では、小ギクの出荷が最盛期を迎える。2010年に22戸の農家が集まって設立。品質を追求した花作りを続け、地道な営農で地域農業の未来を支えようと取り組んでいる。
現在は水稲(主食用米、酒造好適米)や大豆、イチゴ、セリ、小ギクなどを組み合わせた周年農業を展開。受託面積を含め、管理する農地は約134㌶に上る。小ギクは約1・6㌶で栽培し、7月下旬から9月中旬にかけて全量をJAこまちへ出荷。夏場の基幹品目となっている。
高橋代表は「特別な技術も大切だが、何の作物でも基本の積み重ねが重要。毎日の丁寧な管理が大事になってくる」と話す。
品質を左右する最初の工程が親株選抜だ。「元となる株が悪ければ良い花は咲かない。水稲の種もみと同様、状態の良い株だけ親株に選び苗を育てる」と説明する。
病害虫対策ではトラップを仕掛け、害虫の発生状況を確認し、適期防除を徹底する。効率化を目指す高橋代表は、小ギクの定植や施肥を機械化。トラクターで肥料をまきながら、同時にマルチを被覆する。また、フラワーバインダーを導入したことで、長さを
整え束ねるまでの時間を短縮できたという。
一方で手作業で収穫する。「花は一斉に咲かない。咲いた状態を見極めた上でのカットは、機械では不可能だ」と強調する。収穫は毎朝、午前5時に開始。水が吸い上げにくくなり、しおれてしまうのを防ぐため24人ほどの作業員が涼しい時間帯に行う。一本一本丁寧に刈り取って鮮度を保持する。
地域農業を衰退させないという設立当初からの理念の下、できるだけ雇用確保に力を入れる。地域住民の協力が安定出荷を支えている。
近年は高温による開花遅れが課題だという。「暑過ぎると花芽が動かない」と天気の変化に注意を払う。担い手や作業員の確保も今後の懸念材料だ。
同JA園芸畜産課の髙橋俊裕係長は「親株選抜から防除、収穫まで基本管理が徹底され、品質は管内トップクラス。市場評価も高く、技術力が強み」と話す。
21年度のふるさと秋田農林水産大賞経営体の部で農林水産大臣賞に輝いた実績を持つあきのみや。高橋代表は「量ではなく品質で選ばれる産地でありたい。皆で支え合いながら、良い小ギクを作り続けたい」と話している。
次号をお楽しみに!