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あきた版7月1週号
自社産サツマイモで干し芋 秋田の新たな名物に - ㈱秋田ニューバイオファーム


 今年4月に由利本荘市西目町の道の駅にしめ敷地内にオープンした「あきたおいもさんち」。同市の株式会社秋田ニューバイオファームが経営する直売所で、自社産サツマイモを使って製造した干し芋などを販売する。秋田の新名物として売り出すために力を尽くす。
 海岸沿いにある西目地域では、水はけの良い砂地で古くからサツマイモを栽培。鈴木拓也常務取締役(47)は「栽培に適した土壌だったが、サツマイモは寒さに弱く保存が難しいため、市場に出回ることはなかった」と話す。
 甘くておいしいと評判の同地域のサツマイモの特産化に向け、2020年に販売計画がスタート。保管施設の整備や低温除湿乾燥機の導入により、通年で安定した干し芋生産を実現した。乾燥機を稼働すると、天日干しで1~2週間かかる乾燥作業を2日に短縮できるという。

 同社は「べにはるか」「シルクスイート」「ベニアズマ」を作付け。9月から10月にかけて収穫期を迎える。「サツマイモは水分が大敵。天気の良い日に従業員総出で収穫している。機械で収穫しても1日20㌃ほどしか作業できない」と苦労を話す。
 干し芋は、糖化させて乾燥機で均一な甘さに仕上げ、色や形が良いものを手作業で選別して袋詰め。250㌘1080円と80㌘432円(ともに税込み)で販売している。規格外の干し芋は菓子などに加工する。


 秋には収穫体験などのイベントを企画し、地域活性化に貢献している。同市西目総合支所産業建設課の鈴木優人班長は「参加型イベントなどで道の駅への訪問者が増え、にぎわいの創出になることを期待している」と話す。
 「全国的に販売されている干し芋のほとんどは中国産や茨城県産なので、県産のおいしい干し芋があることを県民に広く知ってもらいたい」と説明する鈴木常務。「今後はキッチンカー導入の構想もある。昨年は1・2㌶に作付けて25㌧ほどを収穫したが、今年は3㌶で80㌧を目指している。秋田の新名物として発信し、地域活性化につなげていきたい」と意気込みを話している。

▽あきたおいもさんち=由利本荘市西目町沼田新道下1125、営業時間は午前9時から午後5時まで、定休日は月曜日。
次号をお楽しみに!