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あきた版7月3週号
もみ殻燃料のバイオマスボイラー 環 境 に 優 し く - もみがらエネルギー㈱

 大潟村のもみがらエネルギー株式会社(田村登司代表取締役、61歳)が開発したもみ殻を燃料とする「バイオマスボイラー」を、三種町にある第3セクターの温泉施設「砂丘温泉ゆめろん」が利用している。灯油を使わずに温泉を加温することで、経費や二酸化炭素(CO2)排出量を削減。環境に配慮した新たなエネルギーの普及に注力している。
 もみがらエネルギーの熱利用の流れは、農家が生産した稲からもみ殻を集め、バイオマス燃料を製造。専用のボイラーを設置して熱利用させる仕組みだ。田村代表は「国内のもみ殻は年間約160万㌧発生し、50万㌧が廃棄や農地にまかれていると聞く。以前から大量に廃棄されるのを見ていたので、何かに活用できないかと考えていた」ときっかけを話す。
 ゆめろんでは2018年にボイラーを導入。燃料費高騰で経営が圧迫し、灯油の代わりになる燃料を探していた時に、田村代表からバイオマス熱利用の話を聞いた。廃タイヤを細かく切って燃やすタイヤチップなども構想にあったが、田村代表の熱意に動かされ、ゆめろんはもみがらエネルギーと契約したという。同町商工観光交流課の笹村毅課長補佐は「日本で初めて導入したので不安もあったが、説明を聞き信頼して任せてみようと思った」と振り返る。 
 22年には、大仙市の「西仙北ぬく森温泉ユメリア」に小型温水ボイラーを設置。ゆめろんは、もみ殻を一度粉状にして燃やすが、ユメリアでは、もみ殻をそのまま燃やせるため作業効率が上がった。「木質チップと違い、水分量が一定で燃えやすいのが特徴だ」と話す。
 もみがらエネルギーでは、まきと比べて燃焼時間が長い「モミガライト」や、400度以下の低温でいぶして炭化させた「くん炭」などを販売。くん炭はユメリアで、もみ殻を燃やした後に排出される炭で、年間40㌧ほど生産される。土壌改良材として農地にまくことで病害虫に強い米や野菜が実るという。
 水稲30㌶やトウモロコシ、レモン、アボカドを栽培する田村代表。「もみがらのエネルギーを施設栽培に活用することを目標にしている。光熱費を気にせずに今まで作れなかった作物にも挑戦してもらえるようにボイラーを普及させていく」と力強く話す。
次号をお楽しみに!