農業共済新聞

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2022年10月2週号
新一文字とジョイントで - 高橋拓人さん
 潟上市昭和大久保地区の高橋拓人さん(39)は、父・龍一さん(69)と母・真澄さん(66)と共に果樹栽培に取り組む。ナシは「幸水」「あきづき」「豊水」「秋泉」を1・5㌶で栽培。リンゴは「ふじ」「シナノスイート」「つがる」など20品種を70㌃で手がける。
 拓人さんは大学卒業後に就農。龍一さんから栽培技術を学んだ。「新しい技術は積極的に早く取り入れることを心がけている。どうすれば形の良い果実を効率的に収穫できるのかを常に考えている」と話す。
 ナシの仕立てでは25・6㌃で「新一文字型樹形」を採用。棚下50㌢で主枝を二分し、2本の主枝を棚下15㌢で直線状に配置する。さらに、神奈川県が開発した特許技術「樹体ジョイント仕立て」を43
㌃で導入。主枝先端部を隣の木へ接ぎ木していき、直線状にする。この二つの仕立てで樹冠の拡大が早くなるほか、早期成園化や管理作業の省力化を図ることができる。
 受粉は人工授粉と併せてマメコバチを利用。確実性が高まり、形の良い果実になるという。
 ナシの収穫が一段落つく11月ころには園地に穴を掘り、落葉した枯れ葉を埋める作業に取りかかる。「カビによって伝染する黒星病を抑制するために重要な作業」と説明する。
 リンゴの収穫は12月上旬まで続く。規格外品は鹿角市花輪の加工場に運び、ジュースに加工する。昨年は500本を販売したという。龍一さんは「リンゴを運んだ帰りに温泉に入るのが恒例。毎年の楽しみだ」と笑顔を見せる。リンゴジュースは1㍑500円で販売。秋田市土崎の秋田ベイパラダイスのほか、井川町のJAあきた湖東農産物直売所「湖東のやさい畑」に卸す。
 拓人さんと龍一さんは「早期に全てを成木にして、収量を上げることが目標。これからも品質の高い果樹を効率よく栽培していきたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!