農業共済新聞

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あきた版12月1週号
自家産米使った食事提供 農・旅館・飲食の三刀流 - 石郷岡秀雄さん
 仙北市角館町で農業を営む石郷岡秀雄さん(68)は、息子の善之さん(44)と広之さん(42)の3人で雲沢観光ドライブインと旅館雲沢を経営している。料理には自家産米を使用し、飲食サービス業と宿泊業も展開する。観光客らに喜んでもらいたいと、栽培から調理まで熱心に取り組む。
 水稲を48・8㌃、転作作物としてソバ38・3㌃を作付けする石郷岡さん。ソバは同市内の農業法人に委託し、自らは主に水稲に力を注ぐ。農家とドライブインを両立するため、時間のやりくりに気を付ける。ドライブインの営業時間終了後の午後2時から、宿泊客の夕食準備に取りかかるまでが農作業を行える時間だ。
 耕起や代かき、肥培管理などの作業は石郷岡さんが自ら行い、田植えや稲刈りなどは近隣農家へ作業を委託しているという。「昨年は、猛暑の影響で収量や品質が下がってしまった。今年は天候に合
わせて適切な水管理に努め、おいしい米ができた」と話す。収穫した「あきたこまち」をドライブインや旅館の食事として提供している。
 石郷岡さんは1977年に先代からドライブインを受け継ぎ、現在は息子らとパート4人で営業。定食や丼のほか、麺類など30種類ほどのメニューを用意する。ドライブインに何度も来ているという60代男性は「カツ丼は秋田の人が好むような少し濃い味付けでおいしい。しばらくするとまた食べたくなり、つい寄ってしまう」と話す。
 ドライブインの横に併設する24時間営業のオートスナックコーナーには、自家産米を使ったカツ丼も販売。自動販売機に補充する前にしっかりと冷ます必要があり、大量販売はできないが、補充する
とすぐに売れる人気商品だ。
 石郷岡さんは「自分が栽培した米を使っているので『おいしい』と言ってもらえるのが何よりうれしい」と話し、食中毒が発生しないよう衛生管理には細心の注意を払う。
 「県外客やリピーターも多く来てくださり『おいしい』『また来たい』と言ってもらえるのは本当にありがたい。良品質米栽培に努めながら、いつまでも続けていければ」と意気込む。
 ▽雲沢観光ドライブイン=仙北市角館町雲然山口66の12、☏0187(55)1510、営業時間は午前11時から午後2時まで、定休日は日曜日
次号をお楽しみに!