農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 あきた版2月1週号
あきた版2月1週号
自家産野菜で漬物 衛生管理に細心 - 髙橋利恵子さん

 横手市下八丁で夫と息子と共に農業に励む髙橋利恵子さん(62)。ナスやキュウリなど自家栽培した野菜を漬物に加工し、市内の直売所や朝市で販売する。野菜7種類以上を、季節ごとに多様な方法で漬け込む。強い責任感を持って消費者へ届け、好評を得ている。
 夫の聡さん(63)と協力し、ナスやカボチャ、ネギなどを75・2㌃で栽培。ハウス3棟計4・8㌃ではトマトやキュウリの作付けに取り組む。播種から定植、農薬散布などを行うほか、収穫期には早朝から働く。息子の大輝さん(34)は農地中間管理機構(農地バンク)を利用し、スイカを1㌶栽培。協力を受けながら、スイカの後作で燻りダイコン用のダイコンを作付ける。
 自宅近くの加工場で、聡さんと協力して漬物を加工する。夏場はキュウリのからし漬けや、ナスのもち米漬けなどを製造。利恵子さんは「前日に収穫すると少し乾いてしまうので、早朝に収穫し新鮮なうちに漬けるよう心がけている」と話す。冬場はカラシナやダイコンのビール漬け、ナスを米麹こうじなどで漬ける「奥漬け」を製造。塩漬けしていたカタウリやキンシウリを塩抜きし、粕漬けも手がける。
 義理の両親が高齢になってきたため、10年ほど前に聡さんと共に農業を承継。「引き継いだ際に漬物をやってみたところ、意外に楽しかった。昨年の冬からは燻りダイコ

ン漬けにも挑戦している」とほほ笑む。
 食品衛生法の改正に伴い、衛生管理には今まで以上に気を付け、調理器具の小まめな消毒を欠かさない。また、客に新鮮でおいしいものを届けられるよう分量などの研究を日々重ねる。
 市役所本庁舎駐車場で行われる朝市「みどりの朝市」や、JA秋田ふるさと直売の会「ふるさと安心畑」で販売。客から「ここのナス漬けはやっぱりおいしい」と直接声をかけられると、さらに頑張れるという。
 JAに勤務し同会を担当する鈴木るみ子さんは「利恵子さんは、とても丁寧で勉強熱心な方。味も大事にしつつ、彩りや見た目を考え
た商品を提供してくださる。ほかの方々への良い刺激になっているため、みんなを引っ張っていってほしい」と期待を寄せる。
 利恵子さんは今後について「現在は知人に頼んでいる燻す工程も、自分でできるようにしたい。また、漬物のインターネット販売も検討していきたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!