あきた版4月3週号
母と一緒に和牛繁殖 分娩と体調管理に力 - 阿部春華さん、聖華さん
羽後町田代の阿部春華さん(26)、聖華さん(22)姉妹は、母の真実さん(52)と共に繁殖和牛53頭、和子牛42頭、肥育和牛2頭を飼養する。牛の観察を徹底し、なるべく機械に頼らない管理方法で質の高い牛の出荷を目指している。
「牛の飼育をするうちに怖いからかわいいに変化していった」と話す春華さんは就農7年目で、聖華さんが就農4年目。年間約45頭をあきた総合家畜市場へ出荷する。春華さんは「家畜人工授精師」や「家畜受精卵移植師」の資格を持ち、多くの子牛を出産させている。
繁殖牛は受精してから約10カ月で子牛を出産。そこから約10カ月の飼育期間を経て、子牛市場へ出荷する。特に分娩作業には細心の注意を払う。牛舎にいない時間帯も、分娩房に設置したカメラ
で母牛の様子を観察。ささいな変化も見逃さず、状態を常に確認する。
正常な分娩だけではなく難産の時もある。母牛の産道に手を入れ、状況を確認。逆子の時は押し戻して子牛の体の向きを変え、必要な場合はロープをかけて引っ張り、介助する。母子共に危険と判断した場合は、獣医師に依頼すること
もある。
初乳は子牛の免疫力向上につながるため、重要だという。「これまでは出産後1週間程度で親子を離していたが、今は実験的に同じ牛房に入れ、母乳と代用乳を併用し育てている」と聖華さん。
給餌は1日2回。朝は餌箱の掃除をしてから飼料を与える。食べ残しなどがあった際は獣医師に相談し、体調不良の原因を調べる。個体ごとの体質に合わせて、餌を調整し体重も管理。分娩に影響のないよう努める。
JAこまち営農部園芸畜産課の茂木健さんは「多くの講習会に参加し、勉強熱心で牛が大好きな阿部さん姉妹。餌の改良を重ねるなど一生懸命向き合っている。体のバランスが良い牛を成育していて、市場での評価も高い」と話す。現在、弟の竜登さん(19)が岩手県立農業大学校に在学中。卒業と同時に就農し、水稲を中心に従事してもらう予定だ。春華さんは「水稲を作付けすることで、わらを豊富に取得できる。耕畜連携を目標に、頭数も増やしていきたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!